こんにちは。理系ママ翻訳者Mです。
今回も生徒さんから良く聞かれる質問について、お答えしていこうと思います。
今回は、基本的には、高校までの英文法を学習済の大学生以上を想定しています。
文法は文法用語を知らないと途端に調べるのが難しくなりますよね。でも文法用語までしっかり理解している人って、大学で英語を専門にされている方以外で、実はそんなにいないんじゃないかと思うんです。
分からない時って、何がわからないか分からないとか、何となく分からなくないですか?
私はプロの翻訳者をもう10年以上続けていますが、実は文法用語に苦手意識があります。
英文法書ではなく、英語で英語を学ぶというような形で英語を勉強してきた面もあり、実は文法用語があやふやなんです。
なので、クライアント向けに英文作成の根拠をお伝えする際に、毎回ちょっと苦労したりしています。
文法は『検索』すればいい
文法用語が分からないから文法書のどこを見ればいいか分からなかったり、どこかで読んだ記憶はあるのだけど該当ページが見つからない時ってイライラしますよね。
そういう場合は、文法書を検索すればいいんです!
つまり、検索できる文法書を用意しましょう。
検索できる文法書には、例えばロイヤル英文法(Windows用、Mac用、iPhone用、Android用)があります。これは私もWindows用を持っていて、書籍版と合わせて愛用しています。ロイヤル英文法に限らず、検索できるKindle本形式の文法書も良いと思います。
検索できる文法書であれば、文法用語が全然分からなくても、今理解できない又は理解したい単語そのものを検索できます。
例えばingの用法が分からない場合は、”ing“で検索をかけると”ing”が含まれている箇所が全部ピックアップされて表示されます。それをざーっと見ていき、自分の知りたかった項目が見つかれば、問題解決の糸口になるし、その知りたかった項目に該当する文法用語も知ることができます。
文法用語が分かれば、先生やほかの人に質問しやすくなりますし、他の文法書をあたることもできます。
また、文法書には例文も沢山含まれているので、ある特定の単語の実際の使われ方を知りたい場合など、その特定の単語そのもの(例えば”baby”)で検索すれば、検索語が含まれる例文等もピックアップされるので、英作文の際の参考にもなりますよ。
紙の文法書は必要?
人によっては電子データだけで十分と思うかもしれませんが、個人的には紙と電子データの併用をお勧めします。
紙の文法書の良いところは、やはり読みやすさにあると思います。
該当箇所の前後もパッと参照できるので、気になっていた箇所とそれに類似する内容をまとめて確認することができます。そのため、文法の全体像の把握にはやはり紙の文法書の方が適しています。
あとは、書き込みができる、というのも重要な点です。
どうしても一冊の文法書の説明では腑に落ちないこともあると思います。そんな時は先生に聞いたり、他の本をあたってみたりする必要がありますが、そうして学んだ内容はどこか一カ所にまとめておいた方が後日再度参照するときに便利です。
そのため、自分にとってメインの紙の文法書を決めて、そこに他で得た有用な情報を書き込んでいくと、自分にとって使いやすいオリジナル文法書を作っていくことができますよ。
どの文法書を買えばいい?
文法書のみならず、勉強に関する本で万人に合う本は無いと思っています。
その時のその人のレベルにあった、その人にとって読みやすい理解しやすい本がベストです。
参考までに翻訳者にメジャーな英文法書には、ロイヤル英文法と英文法解説があります。同僚・先輩を見ても少なくともどちらか一冊は参照しながら翻訳作業をしています。
私は両方とも所有していますが、ロイヤル英文法派です。その理由は単純に、自分にとって読みやすいのと、先ほどご紹介したようにWindows版ロイヤル英文法で検索ができるからです。
もし現在所有している文法書以外に新たに購入しようと考えている場合は、ぜひ本屋さんで色々な英文法書を実際に手に取ってみて、読みやすくて分かり易い文法書を選んでみてください。
ロイヤル英文法・英文法解説を買う必要は必ずしもないと思います。というのも、これらはとても詳しい英文法書であって、人によっては抵抗感を感じる可能性があります。ただ、これらは本当に詳しく記載されている文法書ですので、英文法をもっと詳しく知りたい方、英文法の辞書として持っておきたい方には大変良書だと思います。
翻訳者はどのくらい文法書を使うの?
翻訳者に対して、文法とか全部頭に入ってて、すらすらーっと翻訳しているようなイメージを持たれる方もいるかと思いますが、案外そうではないのです。
もちろんプロですので、頭の中にかなりの文法事項は入っていますが、どのくらい使っているかというと、
私は毎日使っています。
なぜそんなに使うのかというと、プロである以上成果物に間違いがあってはいけないため、少しでも苦手意識・不安要素がある項目については確認作業を行うからです。
これは程度の差こそあれ、どの翻訳者も同じだと思います。プロの翻訳者の特徴として私が日頃から感じているのは、
* 自分の苦手事項と、どの本のどこを読めばそれが解消されるのかを把握している
* それらにすぐにアクセスできるように環境を整えている
という点です。
これを別の視点から見ると、毎日英語を使っていても、苦手なことはあるし、ちょっと使っていないとすぐに忘れてしまうこともよくあるということです。
ですので、英文法にしても英単語にしても、忘れることを恐れるのではなく、学んだことに簡単に再アクセスできる環境づくりに力を入れてみてください。
地味ではありますが
- 検索できる文法書を準備する
- メインの紙の文法書を準備する
- 適宜付箋を貼ってマークしておく
といったことを地道にしておくと、後々役に立つ日がくると思います。
まとめ
今日は文法が苦手な方向けに文法の調べ方のヒントをお伝えしました。
文法は楽しくないと思う方も多いと思います(私もそんなに好きではないです)が、文法がしっかりしていないと会話力・読解力・作文力すべてに響いてきますので、勉強する→忘れる→勉強する・・・を気楽に繰り返せる自分にとって楽な文法学習環境を整備して、少しずつ英文法を自分のものにしていってくださいね。